私たちは、“まちづくり”とは街路や公園、建物と言った単なるまち空間の創造ではなく、社会、経済、文化、環境等、生活の根幹を構成するあらゆる要素をも含めた暮らしそのものの創造的行為であると考えています。

“まちづくり”とは自治体や民間企業、専門家などによる空間づくりだけではなく、市民などまちの使い手による町並みの保存や再生、コミュニテイ活動などを含めた総合的・複合的な行為によって初めて実現されるものです。 “まちづくり”とは街の空間づくりで完了するものではなく、そのまちが生活の場として使われていく中で、長い年月をかけて行われる継続的な活動であると考えています。

“まちづくり”に関わる全ての人々がそれぞれの分野における高度な知識と様々な情報を共有しながら、生活を取り巻くあらゆる要素を総合的に検討・判断し、多角的・協調的・継続的な活動を通して真に豊かな暮らしを創造してゆくこと、すなわち“暮らしづくり”こそが“まちづくり”であると考えています。

これは、決して空間づくりによるまちづくりを否定するものではありません。

空間づくりと言う創造行為が、“まちづくり”の中心的役割を担うことは事実です。しかしながら、問題は現在の空間づくりでは結果としてのデザインのみが重視され、そのプロセスが軽視されていることです。それはまちのつくり手によってのみ行われ、住民やNPOなどまちの使い手がそのプロセスに参加する機会が限られています。その結果、まち空間の完成とともにまちは放置され、空間づくりが継続的まちづくり活動へと発展することは残念ながらあまりありません。一方、市民、NPOなどまちに関わる全ての人々が参加する空間づくりでは、創造される空間以上に様々なものがそのプロセスにおいて生成されます。

空間づくりの過経で住民は自らのまちを見直す機会を持ち、今まで気づかなかったまちの魅力に気づきます。まちの将来を真剣に考えることで、住民の中にまちの担い手としての自覚と責任が芽生え、住民相互のコミュニティ意識も醸成されます。勿論従来のつくり手も自分達の論理だけで空間づくりを進めることはできなくなり、使い手の意思が反映された空間が創造されます。まち空間の完成後も、コミュニティを中心にまちは総統的に維持、管理され、豊かな暮らしの場として発展して行きます。

このように空間づくりは、住民参加型で行われることにより、コミュニティにまちづくりの当事者としての積極的な姿勢を当センターは、地域におけるまちづくりについて、すべての人々とともに考え、市民主体のまちづくりを推進することに必要な事業を行い、効率的かつ科学的な思考のもと、心豊かな地域社会の形成に寄与することを目的とします。

少子高齢、人口減少社会といったかつて経験したことのない社会において、私たちは、このような“まちづくり”を支援し、“まちづくり”に貢献するものとして、産官学民を問わない横断的組織を形成することを決意し、ここに法人設立の意思を明らかにするものです。