織田軍の遺構で貴重 伊那で「一夜の城」

講演会
「一夜の城」について話す中井理事長=伊那市生涯学習センターで
写真

 
  戦国時代に織田信長の軍勢が高遠城(伊那市高遠町)を攻めた際、本陣を置いたと伝えられる同市貝沼の遺跡「一夜の城」に関する講演会(中日新聞社など後援)が28日、同市生涯学習センターで開かれた。

 一夜の城は約50メートル四方の土塁で、信長の長男信忠が武田氏との決戦前夜に本陣を置いたとされる。住民要望を受けての市道拡幅で一部取り壊しが計画されている。

 講演会は遺跡の歴史、文化的価値について広く知ってもらおうと、県考古学会が同市教育委員会とともに企画、約150人が参加した。

 講演で、NPO城郭遺産による街づくり協議会の中井均理事長は地元に伝承が残っていないことなどから、一夜の城は織田軍が武田軍との戦いに備えて臨時に築かれた「陣城」だった可能性が高いことを指摘。「東国での織田軍の遺構として貴重」と強調した。

 信州大の笹本正治副学長は高遠城落城によってこの地域が戦国時代を終え、全国統一政権に組み込まれるようになった意義などについて述べた。

 (鴨宮隆史) 2010年3月29日 中日新聞




                    長野県考古学会 考古学講演会

高遠城の攻防と一夜の城

■趣 旨

 織豊期における信濃では唯一の陣城である可能性が高い伊那市「一夜の城」の歴史的文化財的価値を地元の皆さんと共に考え、理解を深める。

■日 時 2010年3月28日(日) 午後1時15分〜

■会 場 いなっせ(伊那市生涯学習センター)5階
     ※長野県伊那市荒井3500-1 JR飯田線伊那市駅から徒歩5分

■講 演

 「伊那一夜の城の謎を探る」 中井 均 先生
                    (城郭遺産による街づくり協議会理事長) 
 「戦国時代のムラと城」 笹本 正治 先生
                (国立大学法人信州大学 副学長) 

主催 長野県考古学会 

共催 伊那市教育委員会

後援 長野県教育委員会 上伊那考古学会 上伊那郷土研究会
    信濃毎日新聞社 中日新聞社 長野日報社

出展:長野県考古学会公式Websiteブログ


 一夜の城は、高遠城跡とほど近い伊那市富県地籍にあります。この一夜の城は、半町四方の方形単郭で土塁に囲まれています。虎口のある東側は土塁が良好に残っています。織田信長の伝記的記録である『信長公記』には、天正10年(1582)3月、織田軍の高遠城攻略時に織田信忠が「かいぬま原」に陣取ったとの記載があり、この陣が「一夜の城」を示していると理解されています。「一夜の城」という名称も、この『信長公記』に記された歴史的出来事を地元で伝承してきたことを如実に物語るものとして注目されます。
 織豊期の陣城は、この一夜の城以外に存在が知られていません。いわば県内に唯一残された陣城としてその歴史的価値は高く、東国における城郭研究上極めて重要な遺跡と言えます。

一夜の城に関する資料3種類:
 (1) 長野県考古学会考古学講演会のチラシ.docx
 (2) 一夜の城の現状写真: 画像1, 画像2
 (3) 一夜の城 空中写真.png

長野県考古学会 河西克造氏

出展:http://www.komazawa-u.ac.jp/~kazov/chujoken/ann/index.html